ベルリオーズの「幻想交響曲」は、単にベルリオーズの代表作であるばかりではなく、交響曲史上際立って重要な作品である。この作品が作曲された1830年はロマン派の時代に入っていたが、まだ古典的な基礎を崩さずに盛られたロマン性だった。
そこに突如として、「幻想交響曲」のような極めて独創的な態度で、音楽に標題性を導入した作品が現れたのだからその反響は大きかった。
構成にも、和声にも、旋律にも多々型破りの点があるにもかかわらず、この作品が彼の代表作の位置にあり、しかもリストやワーグナーにその影響を与えて、自由なロマン主義の開花の導火線の役割を果たした(音楽の友社刊、名曲解説全集より)。
第1、4楽章は繰り返しを行っております。
第5章444小節〜460小節(時間でいいますと8:14〜8:28あたり)の第1第2ヴァイオリン、ヴィオラのパートはコル・レーニョ奏法(弦を弓の背で打つ)の指示ですが、この音色がありませんので、ここではピツィカート奏法で代用しています。 |